最終出社日の今日。梅雨明け。
梅雨明け。
今年は例年よりも早く、夏も暑さの到来も例年より早くそして例年よりも暑い。
といった会話を先輩と上司がしているのを聞きつつ引き継ぎ資料の修正を行ってた。
今日は最終出社日である。
去年の10月頃から転職活動を続け今年の4月末に内定を掴んだ。
なかなか転職活動期間は長く、諦めようかと考えてた時にきた。内定とは突然訪れるものなのだ。
転職の理由も様々で、「やりたいことと違う」「営業と合わない」「場所遠い」「営業と合わない」「営業と合わない」…etc
と言った感じであり、それを自社の取締役に伝え、3度にわたる引き留めの末何とか6月末最終出社日、7月中頃退職と落ち着いた。
本当は6月中頃を最終出社日にして6月末には退職日にしたかったが、現場の契約の関係上有給消化を行うには中途半端な時期に退職日を設定する羽目になった。
退職と入社に向け退職願やら契約書なんやらの処理をしつつ残り2ヶ月の現場で仕事をしてた。
4月、5月は割と重めの不具合修正や機能追加が多かったが6月になると軽めの仕事が多くなってきた。
その間に同じ会社の先輩の1人が契約終了となり(恐らく切られた可能性が高い)チームが5人となるといったことがあった。
私いなくなったら4人だぞ…。
今まで6人以上で回してたのに…。
現場にいる同じ会社の人や同じチームの人達には一切6月末でこの現場を離れること、離れる理由が自社を退職することというのは言ってなかった。
知っているのは担当の営業とその上司や社長副社長、契約交わしてるお客様達のみだった。
退職に関することはべらべら言うものでも無いしどこまで言っていいかも分からないので下手に言って関係を悪くするよりは良いと判断した。
なので現場を離れるのを言うのもだいたい1週間前とかだと思ってた。
6月になってもその話が出なかったので。
そんな最終出社日約2週間前に突然お客様であり現場リーダーであるS氏に、
「アズさん確か今月で最後だよね!退職日ていつなの?次の会社どんなとこ?」
と言われあっさりと今月で最後であること、自社を辞めることかチーム内に知れ渡った。
てかこの言いようじゃあS氏なり営業なりが自社の人やチームの人既に言ってた可能性がある。
てかこんなにもフランクに聞いてくるんですね!!!!!!あまりお客様や他社の人達には退職は伏せるようにしてね!てよくIT系転職体験談や転職サイトのアドバイスページにあるのにね!!!!びっくりだね!!!!
職業SEなどといった方なら知ってると思うが基本的SEの仕事先はお客様先であり所謂客先常駐である。
派遣に近いものである。
直にお客様からシステム作って欲しいから君の会社にお願いするね!
と契約してそのお客様の元に常駐するならまだややこしくないが私まだいる会社は小さい方であり、三次請けの立場に当たることが多い。
今回私の立ち位置もまぁめんどくさく、
A社
↓
A社の子会社でA社のシステム作るB社
B社はシステム作るのに自社の社員以外にも多数のシステム会社と契約してその社員にシステムを作らせる
(私はここの会社に出勤するしA社からみたら私はB社の社員)
↓
B社と契約しているシステム会社の1つのS氏の会社が一緒にB社で働くよう多数のシステム会社と契約する
(B社からはこのS氏の会社の人間となっているし契約上S氏の会社の人間として働く)
↓
S氏の会社に契約持ちかけられ、じゃあエンジニア紹介するよ!とS氏の会社に言い、私の所属する会社に契約を持ちかけるC社
↓
C社と契約してS氏の会社にC社の紹介のエンジニアとして私を派遣する自社
(この会社で私は正社員契約を結んでいる)
ややこしい!!!!!!
これ当事者にらなったりSE同士だったりするとすぐに話が進むがこれがIT無関係の人に説明する時にまぁ大変である。
ちなみに現場ではお客様というとA社のことを指していた。
実際の所属の会社は違うがB社の社員としてA社から金もらってシステム開発運用保守しているからだ。
そんな感じのためS氏に指示を貰いながら仕事をしていた。
で、当然S氏は退職のことまで知ってるのは分かってけどあっさり言うな!!!!!!次何やるのー?とフランク聞いてくんなー!?
しかもチームの統括責任者である数少ないB社社員であるY氏もフランクに「退職かー?次なにやるのー?有給いいなー!!」とか言うのかよ!!!!
思ってたのと違うぞ!!!!ここが特殊なだけか!!!???
と言った具合であった。
なんだこれ。分かりにくいし意味が不明だ。
そんなやり取りからは時間は早く本格的に引き継ぎ資料を作ったり振られる仕事はマニュアル修正なりテスト業務だったりと簡単なものだった。
そんでもって梅雨明けを発表された最終出社日。契約終了日。
ほぼほぼ仕事はなく、簡単なマニュアル修正して引き継ぎ資料更新してとまったりとした時間を過ごした。
S氏もこのまま現場にいるのかと思えば急遽この会議出たい。と言った具合B社の本社に行く事になり途中で簡単にお別れの挨拶を済まして会議に行ってしまった。
最終出社日といはいえあさっさりしたもので元々引き継ぐものも少ないため引き継ぎ作業はすぐに終わり、客先の挨拶も簡単に済ませた。
またチームの人には口頭と一斉メールで挨拶を済ませた。
S氏には勤怠の報告書を毎月出さなくては行けないためメールでにて報告書と共に個別で挨拶を送った。
S氏にはかなりお世話になった。元々エンジニアを育てたいて気持ちがあるのか色々な事を教えてくれた。
そんな私は実質がっつり客先常駐の初めての現場でもあったためかなり迷惑をかけた。終了予定日に終わらないやらなどなどなど。
そういう事もありS氏には個別で挨拶をしたかった。
初めての製造の現場で不安だったこと。
めちゃくちゃ迷惑かけてごめんなさいてこと。
色々勉強できて嬉しかったこと。
この経験活かして次の会社頑張ること。
最後にお世話になったこととありがとう。
それをいい感じビジネスぽくしつつアズ節を交えつつメールにて挨拶を送った。
勤務終了5分前。S氏から返事がきた。
挨拶ありがとう。
B社本社からお客様先であるA社支社に勤務地が引越してお客様の前のため厳しく当たらざる得なかったこと。
厳しくしすぎて反省することは多々あったが勉強になった言ってくれるのは救われること。
これからも大変なことがあるけとこの経験を生かしてくれるなら幸いなこと。
何かあったら気軽に相談に乗るよとのこと。
頑張ってね。
救われる。
この言葉に目を見開く。
私の所属していたチームが運用するシステムが使われる部署の関係上、すぐに対応できるようにと、そのチームだけA社支社に引っ越した。
B社本社とは違い隣にはお客様がいる状態になった。
確かにS氏は引っ越してからB社にいた頃よりも厳しくなった。言動などからそれは感じ取れた。
ただそこまで私自身気にしておらず元々S氏の話し方や言葉選びにはキツいものがあった。
ハッキリと言う人なのである。
だから救われるという言葉はかなり衝撃を受けた。
その言葉が返信の文面に入ってるとは1ミリも予想がしなかった。
ただ、よくある挨拶のお礼。ご健勝をお祈り申し上げます。
ぐらいだと思ってた。
それが救われるだ。
勤務終了5分前。
衝撃の5分前。
突然のカウンターパンチに呆然としつつ、最後にチームに挨拶と別れを言い現場を出た。
外は梅雨明け独特の湿気を帯びた暑さを着ていた。
暫くこの地域には来ないからとすぐには帰らず近くのゲーセンへ行き遊んで夕飯を食べてから電車に乗って帰宅した。
飼い猫に餌をあげ、Amazonから届いた漫画を読み終えて、S氏のメールを思い出していた。
救われる。
それが本当かどうか分からない。
ただ、どうしてもあのS氏から出てきた言葉と考えると何故だが泣きたくなる。
梅雨明けた。
これから澄んだ空と強い太陽の季節。
それでも雨は止まず。
ただ1人でその顔を濡らすのである。
さー風都探偵読みましょかねー!!!と意気揚々として帰宅し自室の扉を開けたらそこには横浜土産の1つのありあけハーバー(12個入り)が紙袋に入れられ鎮座していた。
それは最終出社日前日。
最後だし菓子折りぐらい持ってくかー!と思いっきて買ったのは良いが、あさうっかり家に置いて着てしまったありあけハーバーであった。
忘れたことに気づいたのは昼休み後。
菓子折りを買いに行く時間は無く、しょうがなく諦めた菓子折り。
S氏へ
気軽に相談くださいとの事なので早速相談なのですが
ありあけハーバー貰ってください。
近々現場に伺いますので良いからありあけハーバー受け取って!!!邪魔!!!!